討竜の剣
そこへ!!

「ナハト逃げろぉっ!」

俺は跳躍した!

刃竜がナハトに気をとられている間に近くの岩によじ登り、そこから飛び降りて刃竜の頭上から剣を突き立てる!

狙うは、竜滅砲によって貫かれた傷口!

俺の剣は寸分違わず、刃竜の傷口を貫いた!

「ーーーーーーーーーーーっっ!!」

その痛みからか、刃竜が咆哮を上げた。

並みの剣なら竜種の鱗は貫けないだろうが、傷口ならば話は別だ。

俺は只ひたすらに、剣を突き立てる事だけに意識を集中する。

暴れ狂う刃竜。

それに振り落とされる事なく、必死に剣を押し込む。

ここで振り落とされればもう勝機はない。

俺もナハトも、この場で刃竜に食い殺される。

このまま心臓まで貫く…!

たとえ俺一人では仕留められなくても、ナハトがここまで刃竜を追い詰めてくれたのだ。

ナハトが作ってくれたチャンスを、無駄にはしない…!

< 39 / 159 >

この作品をシェア

pagetop