背伸びKISS
ぶぅと頬を膨らまして
俗に言う『膨れっ面』
というものになっているあたし。
……篤弥のばか。
こんなことを
思ってしまうあたしは
やっぱりコドモなのかな?
でもね、考えずにはいられないんだ。
あたしは篤弥に釣り合っているのかなって…。
考え出したらキリがない。
悪い考えや思いが頭の中を徐々に支配していく。
「ふぇ…」
気にしちゃダメなのに。
篤弥はオトナで
あたしはコドモ。
この見えない壁が
あたしの頭を悩ませるんだ。
「……何、泣きそうな顔してんだよ」
背後から呆れた声があたしの背中にかけられた。
「あつ…や?その格好…」
あたしが振り返って篤弥の姿を捕らえると、
そこには何故か私服に身を纏い、髪もきちんとワックスでセットされている篤弥の姿。