ルリイロ。
―結局、その日、瑠璃は口を聞いてはくれなかった。
目もあわせなかったし…
俺を避けつづけた。
放課後、
いつもなんとなく瑠璃と一緒に帰っていたけれど、
今日は、瑠璃はひとりで帰ってしまった。
俺は、教室にひとり残り、ぼやっと空間を見つめていた。
まぶたには、瑠璃の泣き顔ばかり浮かんでくる。
…俺、なんであんな風に言ったんだろ。
頭の中はそればっかりだった。
…戻ってこないかな。
今すぐ教室の扉をあけて、
いつもみたいに…笑顔で、
『そろそろ帰ろっか』って
言ってくれないかな…。
そんなことを考えていたら、
うしろでガラガラと扉が開く音がした。