ルリイロ。

『ッはぁ!?俺が、いつ、アイツを、好きだって、言ったんだよっ!』

一言一言、合間に机を叩いて反論した。

ケンはきょとんとした顔で言った。

『…お前、瑠璃ちゃんのこと好きじゃねぇの?』

『だから、だれがそんなこと言ったよ。好きじゃねぇに決まってんだろ。あんな、意味わかんねぇ―女なんか誰が好きになるか!』


『…ちょっ、』

ケンがなにかを言おうとした、その時。


『あれぇ?瑠璃、なにしてんの?帰ったと思ってたのにぃ。』

教室のうしろの扉で、明日美の声がした。

< 23 / 132 >

この作品をシェア

pagetop