ルリイロ。
『……ハァっ!?』
明日美は、勢いよく立ち上がり、その拍子に椅子をひっくり返した。
そして、ゆっくりと俺をにらんだ。
『ちょっと、悠人。どういうことよ。アンタ、瑠璃がだーーーい好きなくせに!なーに意地はって嘘いってんのよ!』
いきなり明日美にどつかれて、俺は頭に血がのぼった。
『…意味わかんねーんだよアイツは!いきなり怒るし…言ってることとやってることおかしーんだよ。』
『それは悠人だろ?』
ケンがすぐに反論した。
『…俺は瑠璃のことなんか好きじゃねぇよ。』
明日美は、俺のコトバをきいて、深いため息をついた。
そして、カバンを手にとり、
『ケンちゃん帰ろ。』
とケンを誘った。
ケンは俺を見たあと、
明日美に笑いかけながら
『おう。』と言っていた。
俺は窓の外を見ながら、
さっき放ったセリフとはウラハラに、
瑠璃の笑顔ばかり考えていた。
『…悠人。』
ケンが呼んだ。