ルリイロ。
嫉妬
瑠璃とまったく口を聞かなくなってから、2週間。
11月半ば、季節は冬のはじまりを迎えていた。
俺はいまだに、前のように瑠璃がうしろから駆けてくるんじゃないかと甘い期待を胸に、ひとりで通学路を歩いていた。
朝の空気は新鮮で、すこし寒くなってきていた。
『早山!』
ぼっと歩いている俺の肩を叩いたのは、カンペキ君こと、神田。
『…はよ。なんだよ、珍しいな。』
『ハハッ。最近お前がひとりで登校してるからさ。声かけてやった。』
ニカッと健康そうな歯をだし、無邪気に笑った。
『そりゃ、どーも。』
俺は舌を出して前に向き直った。