ルリイロ。
『なぁ、早山。紀本さんは、どこの高校受けんの?やっぱ月山?』
いちばん聞かれたくないところを聞かれた。
そんなの俺だって知りたい。
『…知らねぇよ。』
そっけなく答えると、神田は大げさに驚いた。
『えぇ?なんでだよ。お前紀本さんの幼なじみだろ?仲良いじゃん。』
『別に仲良くねぇよ。ただ小せぇころから知ってるだけ。』
すると神田は、俺を不思議そうに凝視して、俺の歩幅に合わせながら言った。
『ふーん。お前最近、ひとりだもんな。前は、紀本さんと一緒に居たのに。なんかあったのか?』
『…なんも。あったとしても、神田クンには関係ないことっすから。』
俺は嫌味っぽく答えた。
神田は反論することなく、ぽつりとつぶやいた。
『…まあ、お前が紀本さんと居なくなった方が、都合いいけどな。』