ルリイロ。

『ね、見て見て!瑠璃と神田くん!やっぱりウワサほんとだったんだね~。』

『あっ、マジだ。神田くんファン、瑠璃のこと恨むんじゃないの~?』

『でも、瑠璃、お似合いじゃん。美男美女!あんな風に廊下で話してても誰も騒がないじゃん。見た目だけで即公認なんだよ。』

『まーねぇ。神田くんがベタ惚れらしいしねっ。うまくいきそうだねぇ。』

女子二人はしばらく楽しそうに会話すると、再び参考書に目を落とした。

俺は、神田と瑠璃を見つめた。

…確かに。
神田は申し分ないくらいカッコいいし、瑠璃も華やかで可愛い。
恨んだって仕方ないだろう。

俺は自分の席に乱暴に座った。
参考書を取り出して、ひたすら勉強に没頭した。

瑠璃を、瑠璃への気持ちを、消したくて……。

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