ルリイロ。

俺は、黒板の隅のお知らせスペースに書いてある、『願書提出』
という文字に目を止めた。

俺は、瑠璃が受ける高校がどこなのか、知らない。
神田が月山と言っていたから、ひょっとしたらと思ったのだが、瑠璃はそんなことで高校を決めるワケない、と思い直した。

正直、とても気になった。
それでも、
聞く勇気はない。

もはや、話しかける方法さえもわからなくなってしまった。

神田なら、知ってるかもしれない。
そう思ったが、神田に聞くことは絶対にしたくない、変なプライドのせいで、聞くことはなかった。

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