ルリイロ。
――PM9:25。
明日は、月山高校受験日。
俺は、ラストスパートをかけていた。
横目で机の上にあるデジタル時計に目をやると、一旦参考書を閉じ、おもいっきり伸びをした。
そして、胸の前にある机の引き出しを、そっと開ける。
そこには、瑠璃に返しそびれた…いや、返さなかったお守りがあった。
薄ピンク地に、金の糸で、
『恋愛成就』
と刺繍されていた。
すこし、折れ曲がっている。
俺は、お守りを両手ではさみ、両ひじを机について、目をつむった。