ルリイロ。
驚いた。
本当に、驚いた。
危うく携帯を落としそうになりながら、すこし震える指で通話ボタンを押す。
『…もしも、』
『遅いッ!』
いきなり携帯から瑠璃の声が響いた。
俺はびっくりして一度携帯から耳を離した。
そしてまたすぐ耳をあてた。
すると、すぐに瑠璃のふふっという笑い声が聞こえてきた。
『なーんてねっ。勉強中だよね。いきなりかけてごめん。』
瑠璃だ…。
俺は一瞬、泣きそうになった。
すこしこらえて、瑠璃に応える。
『…いいよ。それより…久しぶりだな。いきなりどうしたんだよ?』
瑠璃は、すこし黙ったあと、いたずらっぽく言った。
『…あのね?今、ドコに居ると思う?』
……へ?
俺はすこし耳をすまし、瑠璃の声の後ろの音に意識を集中させた。