ルリイロ。

隣の家で、犬が吠えた。

すると、瑠璃の声の後ろから、すこし遅れて犬の声がした。

『え…お前、まさか今俺っちにいるのか?』

すこしの間。

『…うん。今、悠ちゃんちの、玄関の前。』

俺はすぐにカーテンを開けて窓から下を見た。

そこには、白い携帯を耳にあててこっちを向いている瑠璃が居た。
そして、ゆっくり携帯を耳から離すと、瑠璃は微笑んだ。

俺は携帯を閉じると、少し瑠璃を見下ろし、見つめた。
瑠璃は、少し不思議そうな顔をして、小さく手招きした。

< 68 / 132 >

この作品をシェア

pagetop