ルリイロ。
隣の家で、犬が吠えた。
すると、瑠璃の声の後ろから、すこし遅れて犬の声がした。
『え…お前、まさか今俺っちにいるのか?』
すこしの間。
『…うん。今、悠ちゃんちの、玄関の前。』
俺はすぐにカーテンを開けて窓から下を見た。
そこには、白い携帯を耳にあててこっちを向いている瑠璃が居た。
そして、ゆっくり携帯を耳から離すと、瑠璃は微笑んだ。
俺は携帯を閉じると、少し瑠璃を見下ろし、見つめた。
瑠璃は、少し不思議そうな顔をして、小さく手招きした。