ルリイロ。



―翌日。
月山高校前期試験日。

俺はケンと明日美と一緒に、月山高校の門をくぐる。

『…いよいよだねぇ。緊張してきた。』

明日美がこわばった顔で言った。

『大丈夫、いつも通りやろうぜ。まわりにもほとんど同中のやつばっかだし。』

ケンが、頼りない表情で励ます。

俺は、ポケットに手をつっこみ、昨日瑠璃がくれたお守りを取り出した。
カバンには、本当は瑠璃の物であるお守りがくくりつけられていた。

これだけあれば、俺は頑張れる。
瑠璃がついていてくれる。

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