ルリイロ。

俺は、明日美と並んで階段を昇り、下から神田を見上げた。
そして、神田のカバンや、携帯のストラップや、手のなかも。見えるところは全て見回したが、お守りらしきものは見当たらなかった。

もしかしたら、瑠璃は神田にもお守りをあげてるんじゃないかと思っていたから…
少しホッとした、

でも、逆に不思議に思った。
瑠璃は、なぜ俺にお守りをくれたのだろう。

淡い期待が胸をよぎる。
しかしすぐに、そんなことあるわけないと思い直した。

瑠璃は神田と付き合っている。
ただの幼なじみのよしみで、俺に渡したに違いない。

俺は自分に言い聞かせた。

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