ルリイロ。

『まったく、男のくせに。』

そんなケンを見てあきれた明日美が言った。

『試験の日からずーっとこの調子。聞いてるこっちが嫌になっちゃう。』

『そんなこと言うなよ明日美~。俺はお前と同じ高校行くために必死で…』

『そんなに出来悪くなかったんでしょ?だったらもう肩の荷おろしなよ。まったくケンちゃんは。』

『明日美~…』

ケンが明日美に甘え、
明日美はポンポンと頭を撫でる。


自然な光景。

こんなふたりを見ている時は、いつもとなりには瑠璃がいた。

でも………










いまは居ない。

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