ルリイロ。

その時、後ろからケンに声をかけられた。

『おい、悠斗。』

『ん?』

返事をしながら少し目線をずらすと、ケンの学ランの第2ボタンがなくなっていた。

『お前、ボタンないじゃん。』

『ん?あ、おぅ。明日美にあげた。付き合い始めたときからの、約束だったんだよ。』

『へぇ~…。』

『…悠斗は?』

『んあ?』

『お前はあげねーのかよ?瑠璃ちゃんに。』


瑠璃の名前にすこし反応した。
ケンと明日美は、神田と瑠璃が付き合いはじめたあたりから、瑠璃とのことにはあまり触れなかったから、すこし驚いた。

< 88 / 132 >

この作品をシェア

pagetop