ルリイロ。

俺はひたすら探し回った。

瑠璃は、どこを探してもいない。

校舎を一通り見たあと、息を切らしながら中庭へ出た。

中庭にはたくさんの人がいて、卒業生を取り囲む在校生なんかもいた。

部活の先輩や、憧れの先輩になにか思い出の品をもらうためだろう。

俺は、自分の制服の第2ボタンに目を落とす。

必ず、瑠璃に渡すんだ。

そう思い、瑠璃を目で探しながら歩き始めた時だった。

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