ルリイロ。

神田は、女の子たちに向かって申し訳なさそうに眉をしかめた。

『ごめん。俺、誰にもあげないって決めてんだ。』

『えっ…。なんでですか?お願いします…。』

女の子たちが泣きそうな声でつぶやく。

神田がなにかを言おうとしたその時、すぐ近くで俺が今いちばん会いたい人の声がした。

『神田くん。』


瑠璃だった。

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