『桜』と『はちみつ色』の君 【短編】



 蒼一朗は心配そうに駆け寄ってきた。

 「椿ちゃん!だ、大丈夫!?
 何も、・・何もされてない?」


 「だ、だいじょうぶ・・・です。
 助けてくれて、・・・ありがとう・・・ございました。」



 体が、カタカタ震える。




 そんな私を優しくぎゅっと抱きしめて言った。...


 「もう、・・・大丈夫だよ。
」と。


 そう言われて、堰を切ったよ
うに涙が溢れてきた・・・











 どのくらいだったのか、涙も治まり、気持ちもだいぶん落ち着いてきた。


 「蒼一朗さん、もう、大丈夫です。落ち着きました。」


 なんとか笑顔を作れた。が、

 「そんな、作った笑顔で大丈夫って言われても信用出来ないよ!!」と、

 更に、ぎゅっと抱きしめられてしまう。...







< 30 / 39 >

この作品をシェア

pagetop