『桜』と『はちみつ色』の君 【短編】
蒼一朗は心配そうに駆け寄ってきた。
「椿ちゃん!だ、大丈夫!?
何も、・・何もされてない?」
「だ、だいじょうぶ・・・です。
助けてくれて、・・・ありがとう・・・ございました。」
体が、カタカタ震える。
そんな私を優しくぎゅっと抱きしめて言った。...
「もう、・・・大丈夫だよ。
」と。
そう言われて、堰を切ったよ
うに涙が溢れてきた・・・
どのくらいだったのか、涙も治まり、気持ちもだいぶん落ち着いてきた。
「蒼一朗さん、もう、大丈夫です。落ち着きました。」
なんとか笑顔を作れた。が、
「そんな、作った笑顔で大丈夫って言われても信用出来ないよ!!」と、
更に、ぎゅっと抱きしめられてしまう。...