『桜』と『はちみつ色』の君 【短編】
沈黙を破ったのは蒼一朗さん。
「あ、あんまり見つめ返さないで・・・。
キス・・・したくなるだろ?」
少し困ったような顔で横を向いた。
「またー。この前といい、あんまりからかわないでください。
・・・私、勘違いしちゃいますよ。」
「からかってなんか・・・ないよ!
この前だって、ふざけていってみせたけど、・・・本当は、
・・・キスしたかったんだよ!」
そう言うと、優しく、でも、ぎゅっと抱きしめる。
「椿ちゃんが好きなんだよ。
だから、キスしたくなるの!
いい大人が何言ってるのって思われるかも知れないけど・・・。
本当に好きなんだよ。椿ちゃんのこと・・・。」