『桜』と『はちみつ色』の君 【短編】
「それじゃー、椿ちゃんの中で、僕が『一番好き』って事だね。
よかった。『桜』が一番って言われたらどうしようって思ってたよ。」
茶目っ気たっぷりに言う。
ひとしきり二人で笑い合った後、不意に真剣な顔になり手を握って、
「本当にうれしいよ。
良くて、近所のお兄さん的存在くらいだろうとずっと思ってたから・・・。
ねぇ、・・・あのさ、
キス・・・してもいい?」
「えっ!?・・・」
「・・って聞いてみたけど、
僕、そんな紳士的じゃないんだ。...」
蒼一朗の顔が近づいてくる。
「(わぁっ〜〜////)」
びっくりして目を閉じると、最初は軽いキス。
唇が離れたかと思ったら次のキス。 始めのキスとは比べものにならないような深い・・・
キス...
そして耳元で、
「大好きだよ。・・・椿。」
花吹雪の中で、
『はちみつ』のように
甘く、甘く囁いた。
END