『桜』と『はちみつ色』の君 【短編】
4月に入ると、『桜』があちらこちらでちらほら咲き始めた。
私は、いつものあの場所に急ぐ。
家から10分くらいのところにある小さな神社。
その裏手に大きな桜の木がある。
あまり知られてないらしく、此処で人にあったことはない。
私も数年前、偶然この神社の前を通り掛かったとき、花風で飛んできた花びらで知った。
神社に着く。
早咲きの桜は、もう満開。
いつも以上に花を付け、木は、桜色の塊だった。
私は木の下に座り、木にもたれ掛かりながら見上げる。
花の間からの木漏れ日が心地いい・・・。