『桜』と『はちみつ色』の君 【短編】
ミシっと、幹のしなる音。
その音で目が覚める。
いつの間にかうたた寝をしていたようだ。
音のした上の方を見る。
逆光で顔は見えないが、黒い人影が見えた。
キラッと眩しいくらいに光る髪。
「あっ、起きちゃった? ごめんね。
気持ちよさそいに寝てたから、起こさないように降りようと思ってたんだけど・・・。」
申し訳なさそうに黒い人影は言いながら、降りてきた。
彫りの深い顔立ちに、はちみつ色の髪の男の人
(えっ!? 外国の人?)
人懐っこそうな笑顔で私を見る。