Melty Kiss 恋に溺れて
「どうかしたってわけじゃないさ。
大雅くんが訪ねてやれば、すぐに元気になるとは思うけどね」

意味ありげな風にウインクを投げつける。

いいな、と思う。
この人のこういう自由なところには、心底憧れる。

「そうやって、中途半端に期待を持たせて。
また、彼女を傷つけろと?」

「おや、よく分かっているじゃない。
我がプリンセスの恋の悩みについて」

分かってるさ。
俺はため息代わりに紫煙を吐き出す。

そんなこと、都さんに物心つく前からずっと分かっている。


何故なら。
そうなるように俺が仕向けたんだから。


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