Melty Kiss 恋に溺れて
4.叶わない想いを胸に
◇都Side◇

……な、なんなのよっ。

私は大雅の腕から抜け出して、足早に部屋に向かう。
心臓が嫌になるくらいドキドキして、泣いちゃいそう。

大雅のバカっ。

ズルイよ。
人の気持ちなんて知ってるくせに弄ぶ。

最低だ。
……最低なのは、知ってるけど。

だって、極道の次期総長なんだよ?
普通の感性で、一般的な常識で、やっていけるはずなんてないのはとっくに分かっていたつもり、なのに。

なんでこんなに好きになっちゃったんだろう。
そして。

どうして、大雅は思わせぶりな態度を取るのかしら。

何よ、あれ。
今はほら、各会の親分たちが揃って大雅の元に娘を押し付けようとしているから、ほら、裸の娘にリボンをつけて大雅に送るのだって流行ってるって噂まで聞いたし。
だから、図に乗ってるんだわ。

自分の手に入らない女なんて居ないって思ってるのよ、きっと。


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