Melty Kiss 恋に溺れて
「だだだ、だって私の誕生日は」

思わずどもる私を、大雅は面白そうに見下ろした。

「婚姻届に署名をするだけでいいんですよ。
届出は、都さんの誕生日を待ちますから、ね?」

ほら、問題解決と。
言わんばかりに大雅は私の額に、触れるだけのキスを落とした。

「知りませんでした?うちの決まり」

「し、知らなかったわよ」

そうか。
婚姻届にサインをするだけでよかったのね……。

でも。

「大雅、私のことが好きなの?」

むしろそれが一番の驚きで、だって。

私の真っ直ぐな質問に、大雅は切なそうにその瞳を細めた。

「愛していますよ。
だからこそ、私の妻には迎えたくなかった。
こんな危険な世界には巻き込みたくはなかったんです。
都さんにはいつだって、無邪気に笑っていて欲しいですからねえ」

真っ直ぐな言葉に、私の心臓はどきりと跳ねる。


そ、そこまで深く考えていてくれたなんて……。
予想だにしていなかったので、どうしてよいのか分からない。
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