Melty Kiss 恋に溺れて
「都さんがいい子にしてくれないと、私は妻を選ぶ気にもなれないじゃないですか?」

と。

私の質問に、大雅は酷く傷ついた顔で答えた。

ズキン、と。
鼻の奥に切なさを伴う痛みが走る。

8月31日は、大雅の二十歳の誕生日で。
だから。

彼はその日の誕生パーティーで妻を選ばなければならない。

それと同時に、銀組の次期総長の座が確定するのだ。

この組にはそういうしきたりがある。

クリスマスが誕生日の私は。
当然その日が来ても、彼とは結婚なんて出来ない。

まぁ、民法の壁、というヤツだ。


だから。

私は大雅に告白できないでいるのだ。

こんなに毎日不法行為で金を得て、生活しているというのに。

そんな私の恋心を縛り付けているのが民法だなんて、馬鹿馬鹿しくて笑えちゃうくらいだ……。
否。
切なすぎて、泣けちゃうくらい。
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