奴隷と悪魔
((がんばってよ美衣菜!俺は美衣菜のことひどい人間だなんて思ってない。俺は最初から利用されるってことはわかってた。でも、美衣菜がほっとけなかった。それは俺の勝手でしたことだ。だから美衣菜は悪くないよ))
『深君・・』
《美衣菜!ひどいことしてごめんね。私、ずっと茉里唖君が好きだった。でも美衣菜にはかなわないよ。だからね?がんばって!》
『芭衣ちゃん・・・』
「「「美衣菜はひどい人間なんかじゃない。だからがんばれ!」」」
『深君・・・芭衣ちゃん・・・私、がんばる!私、茉里唖に想いを伝える!たとえ嫌われちゃってたとしても!』
「「「うんっ頑張って!!!」」」
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“ハッ・・・”
「夢?いつの間に寝てたんだろ。ていうか何この夢っ・・・」
夢にしてはリアルだ。
茉里唖帰ったかな。
あれ?
気がつくと私にはだれかのブレザーがはおってあった。
大きい。
たぶんこれ男子の。
名前・・・は書いてないか。
あ。
このストラップ・・・。
学校帰りに通りかかった店でのこと。
『おい。これお前みたいじゃね?』
そういって茉里唖が手に取ったのは、変な顔した兎のストラップだった。
『えっ。全ッ然似てない」
『似てるだろ(笑)。これ買うわ』
『ぇえっな、なんでっ・・・』
『お前みたいだから』
『何ソレッ』
『はははっ・・・』
あの時のやつだ。
やっぱりこれ、茉里唖のブレザー。
まだあったんだ。このストラップ。
あれからすっごい日にちたってるのに。
・・・茉里唖・・・。
「頑張る・・・か・・・」