奴隷と悪魔





「さて、教室戻るか」


「うんそうだね」


 まだ茉里唖は少しだけ悲しそうな顔をしている。


 どうしたらいいのかな?


 私は彼女なのに、茉里唖の悲しみが少ししかわかってあげられない。


 慰めたいのに・・・。


 なんか慰められない。


 どうやって慰めたらいいのかわからない。


 何も知らない私が、簡単にわかったようなフリなんてしちゃいけない。


 だからただおどおどしてるだけ。


 こんな自分が嫌。


 茉里唖を助けてあげたいのに、そんなことができないなんて、悲しすぎるよ。


 好きなのに・・・。


 助けてあげられないよ。


 好きなのに・・・。


 慰めてあげられない。


 好きなのに・・・。


 ただみてるだけなんて。


 彼女なのに・・・。








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