奴隷と悪魔




 私は急いで家から出る。



 久しぶりに走った。


 息が切れるのがはやいな。



「ふはぁっ・・・」



 このままいけばあと10分くらいでつくかな。


 芭衣ちゃん、泣いたりしてないかな・・・。



「美衣菜!」



 えっ?茉里唖の声?


 私は後ろを振り返る。


 茉里唖だ。どうしたんだろう。


「茉里唖、どうしたの?」


「さっき部活やってるとき白能美が走って帰って行ったから、どうしたのかと思って」


「あ、そっか。ううん。大丈夫。何もないよ」


「?・・・そっか」


 茉里唖は何も聞いてこない。


 絶対何かあるとわかってる。でも、聞いてこない。


 それが茉里唖の優しさ。


 有難う、茉里唖。







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