奴隷と悪魔



 茉里唖は用事があるといって、どこかにいった。



 今この屋上には私と深君だけ。



「あのさ、深君・・・」



 芭衣ちゃんが自分できかなきゃいけないことだけど・・・。



 やっぱり気になる!


 
 私は少し、深刻そうな顔で



「今・・・好きな人、いる?」



 といってみた。



 深君は驚いていた。



 何故私がこんなことを聞くのか、そう思ってているはず。



 深君は静かに言った。 



「何で?」



 何でって言われても・・・。



 答えられないよ。



 芭衣ちゃんが深君のこと好きだからだなんていえないよ。



「や、やっぱいい・・・」



 すると深君は、いきなり真剣な顔になり、『どっちだと思う?』といった。



 な、なんでそんな・・・。



「い、いない・・・?」



 私は適当に答えた。



 わからないよ、そんなの。



 しかも急にそんな真剣な顔になるなんて、どうしていいかわからないよ。



“ドンッ”



「えっ。深君?」



 深君は私の前に覆いかぶさるように壁に手をつけた。



 顔近いよ?








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