奴隷と悪魔
見つかんない。
一回教室に戻ってみたけど、茉里唖はいなかったし。
まさか女子たちと遊んでるんじゃ──。
やめよやめよ。
茉里唖を疑いたくないから。
そう思ってるけど、なぜか早足になってる。
すると向こうから私を呼ぶ声が聞こえる。
「美衣菜ー!」
茉里唖?
茉里唖の声!
「茉里唖っ・・・」
あれ?
返事がない。
あれ?
「茉里唖じゃないよ。俺」
「え?」
あ。
よく見たら全然違う人だった。
声はそっくりなのに・・・。
でもちょっとかっこいいかも?