奴隷と悪魔
「…でさ-!そこで私言ってやったの!…って美衣菜…?」
「あ…ごめん…」
私が前をじーっと見つめていたのに気付いた芭衣ちゃんは、私が見ていた方向に目をやった。
私が見てたのは、歩波くん。
「雨くんのこと、見てたの?」
「あ…うん…まぁ」
「なんかあった?」
「あ、ううん。何にもないの。ただちょっと考えごとしてただけ」
「そっか…」
“ガコンッ”
「はい、美衣菜」
「ありがと-」
歩波くんが女子な囲まれている。
ちょっと聞きたい事あるんだよなぁ-…。
茉里唖にも。
先に茉里唖に聞いた方がいいのかな…。
どうしよう。
「わ-…。凄い人気だよねぇ、雨くん」
「うん。凄い…」
あの女子の中に入っていって、誤解とかいろんなことされたらこまるから歩波くんは後!
先に茉里唖のところに行こう。
「芭衣ちゃん、ちょっと用事できたから先に教室戻ってて!」
「あ、うん。わかったよ-」
「よし、茉里唖を探そう…」