奴隷と悪魔




 尾行とかって、良くないことだけど。でも・・・。



 茉里唖が誰かとどこに行くか気になるし。


 タイミングができたら、ちゃんと謝りたい。



 少し小走りで、できるだけ近づいた。



 すると、もうひとり、茉里唖達を尾行している人がいたのがわかった。



 あれはもしかして・・・
 


「(ボソッ)芭衣ちゃん?」



 芭衣ちゃんは私の声に気づき、おどろいた顔をした。



「び、美衣菜!?」



「しーっ。きづかれちゃうよ。でもどうしてここにいるの?」



「だって。美衣菜途中で電話きっちゃうし、芥川君が何しに行くのか気になるし・・・。
もし、あの子と変なところいっちゃったりしたら、困るでしょ?

だから、そのときは茉里唖君をとめれるように・・・」



「そっか・・・」



 私のこと、考えてくれたんだ。


 
「ありがと、芭衣ちゃん」



「ううんっ。あ!曲がったよ、角!いこう!」



「あ、ほんとだ!・・・って待って。そっちってさ、ら、ラブホとかいっぱいあるとこだよね」



「う、うん。ど、どうしよう。芥川君、浮気・・・?」



「・・・・・・」



 う、うわき。



 嘘でしょう?



 茉里唖、女子にあんまり興味ないはずだし、女子と二人だけで歩くことだって、あんまり好きじゃないはずだし。



 茉里唖に限ってそんなこと・・・。



 あるわけ、ない、よね?






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