奴隷と悪魔




 急いで茉里唖のあとを追った。



 でも、もう茉里唖の姿はなかった。



 ここの通り、ほんとにラブホしかない。



 そんなとこでいなくなったってことは、やっぱり・・・。



「う~・・・っ。茉里唖の馬鹿ぁ・・・」



 涙が出てきた。



 信じてたのに・・・・・・。



「び、美衣菜!まだ、入ったとは限らないよ。

 それに、入ったとしても、ちょっと休憩してるだけかも!
 
 女子の方が具合わるくなっちゃって─・・・とか!

 っね。まだ、信じよう?」



 わかんない。



 わかんない。



 本当にそうなのかな?



 でもちゃんと浮気したとは限らないから、まだ、大丈夫かな。



 まだ、信じていても、いいよね。



 私は小さくうなずいた。








「今日はもう、帰ろうか。ね、私の家こない?」



 少しの沈黙をやぶったのは、芭衣ちゃん。


 気を使ってくれてるのかな。
 


「ありがと。でも、今日はいいかな・・・」



「そっかぁ・・・」



「うん、ばいばい・・・」



 私は自分の家の方向へ歩きだした。


 
 すると


「ね、美衣菜!やっぱり私の家にきて!」


 と、芭衣ちゃんが叫んできた。



「美衣菜を1人にしたくないもん!おばさんには連絡するから、今日、泊まっていって?」



 芭衣ちゃんはホントに優しいな・・・。



「・・うん。泊まっていく・・・」



「うん、じゃあ、いこう」



 芭衣ちゃんの家へ歩き出した。







< 180 / 240 >

この作品をシェア

pagetop