奴隷と悪魔
急いで茉里唖のあとを追った。
でも、もう茉里唖の姿はなかった。
ここの通り、ほんとにラブホしかない。
そんなとこでいなくなったってことは、やっぱり・・・。
「う~・・・っ。茉里唖の馬鹿ぁ・・・」
涙が出てきた。
信じてたのに・・・・・・。
「び、美衣菜!まだ、入ったとは限らないよ。
それに、入ったとしても、ちょっと休憩してるだけかも!
女子の方が具合わるくなっちゃって─・・・とか!
っね。まだ、信じよう?」
わかんない。
わかんない。
本当にそうなのかな?
でもちゃんと浮気したとは限らないから、まだ、大丈夫かな。
まだ、信じていても、いいよね。
私は小さくうなずいた。
「今日はもう、帰ろうか。ね、私の家こない?」
少しの沈黙をやぶったのは、芭衣ちゃん。
気を使ってくれてるのかな。
「ありがと。でも、今日はいいかな・・・」
「そっかぁ・・・」
「うん、ばいばい・・・」
私は自分の家の方向へ歩きだした。
すると
「ね、美衣菜!やっぱり私の家にきて!」
と、芭衣ちゃんが叫んできた。
「美衣菜を1人にしたくないもん!おばさんには連絡するから、今日、泊まっていって?」
芭衣ちゃんはホントに優しいな・・・。
「・・うん。泊まっていく・・・」
「うん、じゃあ、いこう」
芭衣ちゃんの家へ歩き出した。