奴隷と悪魔



“ガチャッ”



「わっ…」



 芭衣ちゃんの部屋に入ると、思わず声を出してしまった。



 あたり一面ピンク。


 家具から壁紙まですべてピンク!



 前にきた時はこんなのじゃなかった。



 茶色の家具が多く、壁紙も白くて、大人!って感じの部屋だったのに…。



 一体何が……。



「あ、もしかして部屋で驚いてる?」



 おもいきり口を開けて戸の前に突っ立ってる私をみて気付いた芭衣ちゃんが言った。


 そ、そりゃあ驚くよね…。



 こんなに変わってたら。



「なーんかさ、いつまでもうじうじしてるのは止めようと思ってね。気分転換で色々変えてったらこんなんなっちゃった★」



「そ、そうなんだ…」



 …てことは…。



「じゃあ、深君にも積極的にアタックするってことだよね!!」



 そう私が言うと、芭衣ちゃんは少し黙ってしまった。



 あれれ?



 そういうことではないのかな…?



 すると、芭衣ちゃんは、手に持っていた本で口を隠して、



「ま、まぁ…そうなる!」



 と恥ずかしそうに言った。



 良かったー!



 芭衣ちゃんにはあきらめて欲しくなかったから。






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