奴隷と悪魔



「美衣菜はやく!」



 家を出てから走って学校へ向かっている。


 はやくって言われてもぉ…。



 寝不足のせいで体がふらつくし、頭は痛いし。




「…はぁっ…はぁっ……」



 息切れする…。なんとか間に合ったみたい。



「疲れたあぁ」



 そういって芭衣ちゃんは下駄箱によりかかる。



 運動神経のいい芭衣ちゃんもふらふらの私を引っ張って20分も走るとさすがにキツいか…。



「ごめんね、芭衣ちゃん。朝からこんな走らせちゃって…」



「いーのいーの!運動は好きだしっ。…まぁ、久々に走ったけどね」



 すごいなぁ…。


 もう息が調ってる。


 私なんかまだ息が……。



「はぁっ…はぁ…っ」



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