奴隷と悪魔





 教室までの長い廊下。





「ごめん芭衣ちゃん。私ちょっとトイレ行くね。先教室戻ってて?」



「え、あ、うん…」



 そう言って芭衣ちゃんは教室に戻って行った。



 不安そうな顔してたなぁ。



 ごめんね、芭衣ちゃん。




 個室に入った。



 誰にも見られて無いのが、何だか落ち着く。



 もう、今しか言えない気がする。



 さっき芭衣ちゃんに話して、やっと言う勇気が出た。



 だから今しか…。



 直接会って言うのが良いのかもしれないけど、茉里唖はどこにいるかわからないし、


 それに



 会ったらきっと涙が溢れてしまう。



 言えなくなってしまう。



 だから



 メールにしよう。





< 207 / 240 >

この作品をシェア

pagetop