奴隷と悪魔
そうこうしている間に学校についた。
玄関前では歩波くんが同じクラスの女子と一緒にじゃれている。
「おはよー、歩波くん。仲良いねー」
「美衣菜、芭衣、おはよ。仲いいだろ?混ざる?」
「結構です!美衣菜、いこー」
「う、うん」
芭衣ちゃんばっさりだなー...。
心なしかいつもよりばっさり?
気のせいか。
教室に行くと、女子のほとんどがいなかった。
「あれ?皆どうしたの?」
唯一そこにいた委員長に聞いてみた。
「体育大会近いから朝練いったよー。美衣菜たちはいかないの?」
「え、朝練?芭衣ちゃん、どうする?」
「一回もでてないし、行っとく?」
「そうだね。委員長はでないの?」
「私は今日ちょっと体調悪くて。いってらっしゃい」
「そっかぁ、お大事にっ。いってきまーす!芭衣ちゃんいこー」
「うん......きゃっ!」
教室を出ようとしたら、芭衣ちゃんがさっき玄関でじゃれあっていた歩波くんと女子にぶつかった。
「ごめんね~?大丈夫?芭衣」
甘ったるい口調で心配してくる。
「大丈夫」
それだけ言って、芭衣ちゃんはスタスタと歩いていってしまった。