奴隷と悪魔
深君
私に声をかけたのは、同じクラスになる、【沙神 深】(さがみ しん)だった。
黒髪で、やさしそうな顔・・・。
頭もよさそう。
あ。思い出した。
この人、学年トップの秀才だよ。そして1年生から生徒会長をやってるっていう・・・。
なんでそんなひとが私に声をかけるんだろ?
・・・泣いてたからか。
「へーきです。大丈夫」
「平気そうにはみえないけど・・・。そういうことにしとく。一緒に教室行かない?泣いてるの隠しながらいけるし」
思ったとおりのやさしい人。
茉里唖とは──・・・
って、いけないいけないっ。
茉里唖の名前は一切思い出さないんだった。
「有難う・・・」
私と秀才君は一緒に教室に行くことにした。