奴隷と悪魔



 まぁ私には関係ないこと。


 気にすることないよ。


 うん。


「し、深君。座ろうか」


「そうだね」


 深君は冷静。


 当たり前か。


 深君はあの二人とは全然関係ないからね。


 私も・・・。



 私も深君みたいにあの二人とは何も関係なかったらよかったのにな。



 そしたらこんなに考えることはなかったのに。


 こんなにあせらないで、冷静になれた。


 何で私はあの二人と関係してるの?


 嫌だ。


 
 あーっもう!


 考えたくない!


 無視よ!無視!


 絶対無視!

 
 ・・・それじゃないと私はおかしくなっちゃう。


 ううん。


 今もおかしいけど。


 もっとおかしくなっちゃうんだ。


 はぁぁ・・・。


 いやだな・・・。


 本当。


 先生がはいってきたのに、皆はまだざわついている。


 ・・・うるさ。


 私は早く忘れたいのに。


 皆さわぎすぎだよ。

 
 私は耳をふさいだ。


 皆の声が聞きたくない。


 あの二人のことでざわついてる皆の声が聞きたくない。

 

「美衣菜?」


 深君は耳をふさいでる私を心配して、声をかけてくれた。


 でも私は深君を不安にさせたくないから、『大丈夫、平気』といって平然を装った。

 



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