奴隷と悪魔
『なんであんたが知らないのよ!付き合ってたんでしょ!?あんたが浮気とかしたから芥川君があんなにつらそうにしてるんでしょ!』
え?
茉里唖がつらそう?
『違うってば!私は茉里唖君と付き合ってなんかないわよ!茉里唖君がつらそうにしてるのは違う理由!』
え?
付き合ってないの?
『じゃぁなんであんなにくっついてたのよ!』
『あれは・・・ただ私がくっついてただけよ。ウザがられてたけどね!』
『プッ。やっぱりあんたが無理矢理くっついてただけじゃん!ばっかみたい』
『あっはははッッ~』
他の女子たちの笑い声が廊下に響く。
でもなんで芭衣ちゃんはあの人たちに白状したんだろう?
よっぽどいじめられるのが嫌だったのかな。
ちょっとかわいそうだけど・・・。
『ふざけんじゃねぇ!』
女子の叫んだ声と同時に、女子のこぶしが芭衣ちゃんに飛んでいく。
そ、それはまずいでしょ!
私はあせって、そのひとたちのところにとんでいった。
“バキッ”
『え・・・?』
女子と芭衣ちゃんの驚いた声。
「な、なんで美衣菜が・・・」
「あ、のねぇ。
茉里唖を想う気持ちはいいけど・・・ちょっと度をこえてるよ!
恋愛は自由!
誰が誰のコトを想おうがその人たちの勝手!
芭衣ちゃんは努力して茉里唖の近くにいただけでしょう?
あと・・・。
茉里唖がかわいそうだとか、そんな気持ち茉里唖にしかわからないんだよ!!
勝手に思い込んで、一緒にいただけの芭衣ちゃんを殴るのは間違ってるから!・・・ハァッハァッ・・・」
「何いってんだよあんた!ふざけたこというんじゃねーよ!」
そして女子たちは、私に殴りかかってくる。
「美衣菜!!!」
私はよけようともしなかった。
なんだか、思いっきり殴られたい気分でもあった。
芭衣ちゃんが殴られるのをみるよりはマシかな?
芭衣ちゃんは悪くないと思うし。
きっと。
“ボカッドカッ・・・”