奴隷と悪魔



 私は教室から走って出た。


 


 気がつくと屋上に来ていた。


 そこには茉里唖がいた。


 なんで茉里唖がいるの?


 さっきまで一緒にいたのに。


 思いつく場所が一緒なんて・・・。




「茉里唖・・・」


「なんでお前・・・」


“パタン・・・”


 私は静かに戸を閉めた。


 屋上には、いれない。


 茉里唖と一緒にいたら、茉里唖が私に汚されてしまう。


 そんなこと、だめ。




 そのとき、屋上の戸がバンッ!と開いた。

「!?」


 な、なっ・・・。


「何逃げてんだよ」


「に、逃げては・・・いない」


「・・・」


 しばらく無言が続く。


 そして私がここから去ろうとしたら、


「行くな・・・」


 そういって茉里唖は私の腕をつかんだ。


 行くな?


 なんで茉里唖がそんなことを・・・。








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