私の病気~摂食障害(拒食症)

とうとう、学校に登校する日がやって来た。以前はバスで通っていたがこれからは自転車で通う事にした。私の体力はそこまで回復していた。しかし、退院はまだだった。病院から毎日学校に通った。通学しながらも例の二人だけの集団療法は続いた。
ある日、治療中私は相手の子にどうしていつもミニスカートを着ているのか、自分がどれだけ痩せ過ぎで、他の人からみたら気味悪がるのがわからないのか、と言ったことがあった。その頃の私は体力は回復していてもやはりまだ一般の人達よりも痩せていたので、少しでも太って見えるように太目のジーパンにスニーカーというような格好だった。
次の週、カウンセリング室内に入るとジーパンをはいてスニーカーをはいた彼女が待っていた。しかし、そのはいていたジーパンは細く仕立て直しされたもので身体のラインを隠すためにはいているわけではなく、ジーパンにスニーカーという私の格好を真似てるだけで「私はこんなに細いのよ。みんな見て!」と言わんばかりだった。
私が彼女の格好を見て一番可哀想だと思ったのは彼女のスニーカーを見た時だった。彼女はお金持ちのお嬢様だったから結構いい値段のスニーカーをはいていたがあまりにもピカピカすぎた。それは病院の外には出たことがないという事を意味していた。なんて寂しことだ。病院というこんな狭い世界で満足してるなんて。

私は彼女の事を心から可哀想だと思った。同時に自分はこうはなりたくないという気持ちが強くなっていった。
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