小悪魔な私

終わった後、ヒロはタバコを吸いながらベッドに座り、私の髪を撫でている。



「雫ちゃん、良かったよ」



可愛かったとか好きとかじゃない、



『良かったよ』



遊びだって言われてるのと同じで、意外と傷付くんだよ。


私は何も答えずに、寝っころがったままヒロを見上げていた。


ヒロはタバコを吸い終わると、立ち上がり服を着始めた。




遊びだけの、その場しのぎの恋。





これが、私にとっての合コン。




始まる前はあんなに


『好きだよ』


って言ってても、終わったら妙にシラケる。




だって、そこには愛が無いから。




その後、会いたい時に連絡をし合う。




後腐れの無い関係。




それが楽だから合コンが好きなんだけど、たまに虚しくなる時が有るんだ。


私も立ち上がり服を着た。


会話なんて無くて無言が続いた。



分かりやすいな……



私達はホテルを出てすぐに、別々の方向に歩き始めた。



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