小悪魔な私
勇気の気持ち
俺の中で、こんなに雫の占める割合が大きかったのか……


そう実感してしまった。


自分の心にぽっかりと穴が開いてしまっていた。

だいぶ大きな穴……



重傷だ。



俺は最近、彼女である雫に振られた。


雫とクリスマスイブに待ち合わせしていた時に、たまたま潤子とばったり会った。

潤子とは、中学時代付き合っていたいわゆる『元カノ』だ。

確かに潤子とは、濃い恋愛をしてきたしお互い初めての相手だったから思い入れもあった。

中学時代に潤子は家庭の事情で大変だったから、いくらかは情が有る。

潤子はお金に困らない仕事をするために、医者になりたい!!と話していた。

だから勉強を教えて欲しいと言われた。

俺は素直に応援してあげたい気持ちが有り、快諾したのだ。


もちろん恋愛感情は無い。



今は雫が一番大切な人なのだ。



しかし、俺は雫を傷つけてしまいたくないから、嘘をついた。


『ただの友達だ』ってね。


それがいけなかった……
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