小悪魔な私
私の膝を持ち水で洗い流す勇気。


「…いたっ」

「我慢しろ。ちゃんと砂を落とさないとバイキン入るだろ」

「……うん…」

「肩持ってろ。又転ぶと面倒だ」


もう、優しいのか嫌な奴なのか分からないよ。


「はい。」

終わったみたいで、勇気は私の顔も見ずに蛇口をしめた。


「………ありがとう…」


私は素直に勇気に言う。


勇気は無表情で私の顔を覗きこむと

「珍しく素直だな」

そう言って少し笑った。
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