小悪魔な私
俺は帰り道で健太に、合格の報告しなきゃならない事を思い出した。

健太から、耳にタコが出来るほど報告の電話をしろと言われてたのだ。


とりあえず携帯を取り出し、健太にかけた。


いつも通り、ノーテンキそうな健太。

電話の向こう側では、何やらざわついていた。


誰かいるのか?


健太が俺の合格を周りに報告した。




俺が話し始めようとした時、



『雫、大丈夫?』



そんな声が耳に飛び込んで来た。




雫が……居るのか?!




俺はすぐ健太に、変わりたいって言ったんだ。



でも、電話口に出たのは乙葉だった……



『雫からおめでとうって……それと、私からは、よくも雫泣かしたわね!許さないから』


乙葉からのゲキが飛ぶ。


乙葉が大分興奮気味だった事から、雫がどんな状態になったかは容易に想像できた。



『待てよ!雫を……雫を頼む』


『頼まれなくても世話するわ!!』


『雫に……絶対に迎えに行くからって伝えてくれ。』


俺は勢いに任せて乙葉にお願いした。

少し間が有ったあと、


『分かったわ。また泣かせたら今度こそ許さないから』


そう言って電話は一方的に切れた。
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