小悪魔な私
「もちろん行くんでしょ?」

耳元で囁く乙葉に

「分からない……」

と答えた。


みるみるうちに乙葉の笑顔が曇っていく。

何で?そう言いたげな顔。。


「不安だからだよ」


私はそんな乙葉の不安気な顔に答えた。


「……勇気には幸せで居て欲しいから」


そう言う私に


「雫の…雫の気持ちは?私そんな悲しげな雫、もう見たくない!!!」



乙葉が怒鳴った。


私の為に……怒ってくれたんだ……


初めて乙葉が怒ったんだよ。


そして、肩を震わせて泣いてる乙葉。



本当に乙葉が親友で良かった。



私は乙葉の肩を抱きしめて、


「ありがとう。私逃げてたかもね」


乙葉は真っ赤な目に涙を溜めて私を見た。


「素直にね…でしょ」


そう言って笑った。


2人で一緒に笑ったんだ。

< 286 / 306 >

この作品をシェア

pagetop