小悪魔な私
はやる気持ちを抑えながら階段を登る。



まずどんな顔して会おうか……



まず、なんて言おうか……


心臓は一生分を一気に働いてるんじゃないかって位、鼓動が早くなっている。



着いた場所は、いつも見ている景色が広がっている。



恐る恐る周りを見渡した。







―――居ない






キョロキョロと見てみても、やっぱり勇気の姿なんか無かった。



私は踊場の手すりの前で茫然と立ち尽くしていた。





何で?





私はその場でしゃがみ込んでしまった。
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